
ルリ先生の補習授業

「♪ 神か〜 悪魔か〜 鋼鉄のタイガ〜 ♪
ズババン! スババン!
ハトハトで敵を撃てぇ〜!
♪ 鉄十字の旗は俺たちの約束ぅ〜 ♪
スババン! ズババン!
立ち上がれ同盟国(とも)のため〜」
「・・・・・・・」
「♪ 大地をかけるぜ 6号戦車! 怒りの鉄拳(?) 88mm鉄鋼弾!
明日をつかめ! デビルマシン! パンツァー・ティーガー!
勝利の雄姿だ おまえの出番だ〜 ♪
待っていたぜ! デビルマシン! パンツァー・ティーガ―っ!
そのパワーで ソ連を倒していくんだ〜 ♪
パンツァー・ティーガ―〜 ♪」
「・・・あんた何やってんの? っていうか誰よアンタ」
「続いて二番! さぁっ、お前らもこのガイ様と熱血ソングを歌うのだぁっ!」
「聞けよ人の話。
それに替え歌の歌詞なんてわかるわけないでしょうが・・・」
「♪ 燃える心が 俺たちのエネルギーぃ〜! ♪
ズババンっ! ズババンっ!
ふきとばせ悪いやつ〜っ! ♪」
「わかるんかい・・・」
「基本ですよ、基本」
「何の基本よ・・・」
「♪ 悪を滅ぼして〜 正義を示すのだ〜 ♪」
「それ違うし・・・」
「でも戦車って言ったらやっぱティーガ―ですよね!
エイブラムスもいいけど、あたしはティーガーの箱型チックな形が大好きです!」
「ほぉ。話がわかるじゃねぇか姉ちゃん。お前さんもティーゲルの魅力がわかるのかい?」
「当然ですよ! ワールド・タンク・ミュージアム、何個持ってると思ってるんですか?
三桁突入しますよ」
「三桁って、をい・・・」
「えー? おかしいですか? 戦車は何個持ってても困らないんですよ?
同じのがたくさん出れば小隊が作れるし、もっと出れば中隊、大隊。
そうなると他の部隊も揃えたくなるし、数が揃えばジオラマも作ってあげたくなりません?」
「ならん、ならん」
「それにティーガ―はナデシコのテレビ版にも出てきましたしね。
第11話「気がつけばお約束」の中盤辺りで。
ナデシコの監督は話がわかりますよね」
「それってただの軍事オタクじゃ・・・」
「惜しいなぁ。
デザート迷彩だったら完璧だったのに。
ナデシコに出てきたあの戦車って6号初期型でしょう?
初期型って言ったらチェニジアの虎でしょうに、なんでジャーマングレーなんですかね?
やっぱり、第二次世界大戦は東部戦線のみ、あとはおまけ!というポリシーの人なんでしょうか?
アスカさん、わかります?」
「わかんねぇよ。だいたい初期型って何?」
「ティーガ―は、作られた時期によって外見がちょっとずつ違うんですよ。
ライトの位置とか」
「ライトの位置って・・・」
「戦車ってのは口で言ってわかるもんじゃねぇ。
心で感じるものだっ! ピキーンっ!と。
所詮、海軍野郎にはわからん世界よ!」
「ピキーンっ!って・・・・・・お前はニュータイプか?
っていうか、あたし海軍も知らんわよ…」
「海戦なんておまけです!
海軍野郎にはそれがわからんのです!」
「・・・それってアンタらが海軍知らないだけなんじゃ・・・」
「しっ 黙っていれば誰もわかりません」
「……」
「そもそもなんでクルスクの基地にティーガ―があんなにあるんでしょうか?
ひょっとしたらT−34を改造したティーガ―だと思ったら、やっぱりティーガ―だったし。
それはいいとしても、あんな破壊しまくるなんて・・・もったいない・・・」
「モノの価値がわからぬ銭の亡者は醜いものだ。
「人心乱れて国、荒廃す」とはよく言ったものよ」
「・・・あんた自分の言っている言葉の意味わかってるの?」
「わからん! なんとなくカッコいいからだっ!」
「・・・・・・・・」
「男の言動に意味など無い!
あえていうならカッコいいからだ!
学校でそう習わなかったか御嬢様?」
「いーえ、あんたらと違ってまともな教育機関だったからね」
「それよりなんで山田さんがこんなところにいるんですか?
さっきまでアキトさんと一緒に格闘してたのに」
「よくぞ聞いてくれましたっっ!
ふふふ・・・・話は聞いたぜ。
どうやらこのダイゴウジ=ガイ様の偽者が現れたそうじゃねぇか? ええ?」
「偽者?」
「きっと、素手でガンダムと戦う彼 →
のことじゃない? 声が似てたし」
「素手って、をい・・・マジかよ」
「スパロボFのときは機械獣を素手で倒してた・・・。
αまでしかやったことがないからあとはわかんない・・・」
「あと、素手で銃弾受け止めることもできたわよね」
「本当に人間なの!? あいつは・・・!」
「僕はカッコいいと思うけど・・・」
「あらシンちゃん。復活したのね?」
「愛の力さ」
「出たわねホモ男・・・」
「同じネタを何度も使うとは読者を舐めてるとしか思えないな。
まぁいいさ。シンジ君とボクは魂の深いところで繋がってるんだよ。
こないだは生まれたままの姿を見せ合ったばかりだし・・・。
ねぇシンジ君・・・?」
「ぬあんですってぇ――っっ!!」
「カ、カヲル君っ! そんな誤解を招くような言い方をっ!
裸って言っても、一緒に銭湯に行っただけじゃ――――」
「ホモホモホモホモ――っ! モノホンだぁっ!! うわっ、うわっ! どうしよどうしよ!
写真取らなきゃっ!」
「取るなぁ―――っっ!!」
「きゃー! どっかで無料鯖借りて早速2○ゃんにうpしなきゃ!」
「するなぁ―――――っっ!!」
「シンちゃんったら・・・あたしの知らない間にディープな世界に入っちゃったのね・・・(ポっ)」
「・・・わたし、初めて見ます・・・」
「めったに見れるものじゃないわ。ルリちゃん、しっかり見ときなさい」
「ち、違うよ皆っ! カ、カヲル君からも何とか言ってよ!」
「・・・・・・・・」
「なんとか言ってよ、カヲル君っ!」
「騒ぐなよ。兵が見てる・・・」
「カヲルく――んっっっっ!!!!」
「それキャラ違う・・・」
「綾波・・・! 綾波ならわかってくれるよねっ! ボクは・・・!ボクが本当に好きなのはっ!」
「・・・わかってるわ・・・」
「綾波・・・」
「写真を取るときはひと声かける。マナーだもの・・・
碇クン、さっそくそのときの格好でポーズ取ってくれない? ふ○ばちゃんにうpしなきゃいけないから…」
「綾波ぃ―――っっ!!!!!」
「説明してもらいましょうか馬鹿シンジ? これは一体どういうこと?」
「だから―――。うっ・・・! く、首筋に何かチクっとしたものが・・・・。がくっ・・・」
「おやおや、急に眠ったくなっちゃったのかい? 甘えんぼだなぁ、シンジくんは・・・・。
さぁ、一緒のベッドに行こうね・・・くすくす・・・」
「ちょっとアンタ待ちなさいよ!」
「なんだい?」
「シンジをどうする気っ!?」
「恋人同士の間に割り込むなんてヤボだなぁ。
愛し合う健康な若者がすることなんて一つに決まってるじゃないか?」
「だ、誰が愛し合ってんのよ!? とにかくシンジを離しなさいっ!」
「あんなところに加持さんが」
「え? どこどこ〜っ?・・・・あ。
しまったぁ〜! 逃げられたっ!」
「・・・・・・」
「・・・何よ」
「・・・・無様ね・・・」
「やっかましいっ! いいわ、あとで馬鹿シンジに何してたか聞けばいいんだから!」
「あらあら、ラブラブねぇ・・・」
「!! だ、誰と誰がラブラブなのよぉっ!!!」
「アスカも困ったものよねぇ、男の子がライバルなんて。
シンちゃんったらいつの間にかプレイボーイになっちゃって。
ふぅ・・・・・あのコもやるわね」
「アスカさん、ファイトぉっ!」
「うるさ――いっっっ!!」
「・・・バカばっか・・・」
「なんか凄いことになってんなぁ、リョウコちゃん
達みたいなのがまた増えたのかよ」
「そのリョウコさんは?」
「テンカワ
んとこ。ただ艦長
とメグミちゃん
も一緒だけどな。
ったく、この船は恋愛禁止じゃなかったのかよ、どいつもこいつもラブコメばっかしやがって。
こっちにも一人くらいよこせってんだ・・・・」
「・・・・。羨ましいんですか、セイヤさん?」
「・・・・ま、まあそんなことはどうでもいいんだ」
「それで、どうしてここに?」
「ああ。エステのことなんだが、ヤマダ=ジロウはここにいるかい?」
「おう博士っ! 俺様を呼ぶってことは研究所がピンチってことか?」
「誰が博士だっ!・・・ったく。
とりあえずお前の言った通りのセッティングにしておいたぜ。
「セッティング完了次第テストする」って言ったのに、勝手にどこかにいきやがって・・・」
「だぁーはっはっはっ! 細かいことは気にすんなっ! だいたい、この狭いナデシコの中ならどこにいたってすぐ見つかんだろ?」
「呼びに行くのが面倒なんだよ。こちとらお前のテスト終わっても仕事は終わりじゃないんだ。早く来い」
「おうっ! おい、お前らっ! 今度俺のゲキガンガーのビデオを見せてやっからな! 楽しみにしてとけ!」
「いいから早く来いっ!ったく・・・」
「・・・・・・・ねぇ。いつからここはナデシコの中になったのよ・・・」
「さあ? そういう設定だったんじゃない?」
「設定って、をい・・・ストーリーはどうすんのよ、ストーリーは・・・」
「細かいことは気にするなっ!
わからんところは想像で補えっ!」
「まだいたんかい・・・。だいたい最初からわかんない場合はどうするのよ?」
「ふっ。そこは努力と根性と必中、魂、閃き、熱血、捏造でカバーするのさ。じゃあなっ!」
「捏造って何よ、捏造って・・・」
「捏造・・・。本来はない事実を、まるで本当にあったかのように作り上げてしまうこと・・・」
「単語の意味じゃないわよっ!」
「それじゃ補いましょう」
人類がその増えすぎた人口をスペースコロニーに移住させるようになって半世紀が過ぎた。
コロニー移住計画の土台となった月への移民は、地球と月との対立を招き、その対立は月の内乱へ発展していった。しかし、この月の内乱は地球に従おうという親地球側の勝利に終わった。
一世紀後の新西暦179年、地球からもっとも遠く離れたコロニー群であるサイド7はジオン公国を名乗り、地球に独立戦争を挑んできたのである。腐敗した地球連邦は各々の国家が自己主張を譲らず、圧倒的戦力を持ちながらも連帯性が取れなかった。連邦の中にはジオンと手を組む小国すら現れ、戦いは少数のジオン軍が有利に展開していた。しかし、当初のジオン公国の要求である「コロニー独立」をあくまで認めようとしない地球連邦は長期戦を挑み、ジオン軍の電撃戦は失敗に終わったのである。戦争開始から11ヶ月後、中立開拓星である火星が外宇宙の侵略者に攻撃を受けた。人類の歴史上、火星より先は未開の地であり、地球外生命体の存在は地球・コロニー両陣営に大きな衝撃を与えた。同じ頃、南アタリア島に謎の巨大戦艦が落下。この戦艦の研究によって、未知の知的生命体が地球を狙っており、彼らのテクノロジーは地球の科学を上回っていることが明らかとなった。こうして地球圏を狙う第三の勢力に対抗するため、地球連邦とジオン公国の間に相互不干渉休戦条約が結ばれたのである。しかし、この戦艦の存在はジオン公国側に知られることなく隠蔽されることになった。地球側がテクノロジーを独占するためであった。
火星を狙う侵略者はその前線基地が木星にあることが明らかになり、これらのエイリアンを木星蜥蜴と呼称することになった。しかし木星蜥蜴は本格的には攻めてこず、無人戦闘機とのいざこざがありながらも、大きな戦いはなかった。一年戦争と呼ばれたジオンと地球連邦の戦いで、地球側の被害は甚大だった。しかし、政府高官は地球の再建を省みず、ひたすら権力争いに忙しかったため、地球の復興はスムーズに行くことはなかった。そんな中、「全ての原因はコロニーにある」と、スペースノイドに怒りの矛先を向ける地球至上主義者たちが台頭を始めた。各国の対立を地球とコロニーの対立に転化したこの主張に同調するものが出始め、地球連邦政府はティターンズを自称する一部高官の独裁状態に陥り、周囲の中立コロニーに対して圧力を掛け始めたのである。この余りある植民地行為は地球連邦憲章に照らし合わせても違法だったが、地球側は自分たちの再建ために目を瞑り、地球とコロニーの溝は深まるばかりであった。
それから7年後、突如沈黙を破った異星人は火星攻略に乗り出した。完全な不意打ちを喰らうことになった火星は連邦軍の抵抗空しく敵の手に落ちた。第一次火星戦役からさらに一年後の新西暦187年、東アジア最大の企業であるネルガル重工は、火星に残された人々を救出すべく、新型戦艦を建造した。機動戦艦ナデシコの完成である。ナデシコ出向直前、一機の宇宙船がナデシコの待機するドッグの上空に不時着。その宇宙船に乗っていた一人の青年はこう言った。
「ボクの名はエイジ。地球は・・・狙われている!」
そのとき、木星蜥蜴の奇襲がナデシコを襲う。果たしてナデシコは無事宇宙に出向できるのか?
こうして全世界を震撼させる「檄!スーパーロボット大戦」がその幕を開けたのであった・・・。
「こんなんでいかがでしょう?」
「・・・・・・・「檄!」なんだよ。「檄!」って・・・」
「タイトルはどうでもいいんです。それよりストーリーはどうでしょうか?」
「なんかありがちよねー」
「マンネリ過ぎ・・・」
「うーん、どうしても異星人が攻めて来る話になっちゃうんですねぇ・・・」
「っていうか、舞台が宇宙になっただけで、実際の歴史とあんまり変わんないじゃないの、これ?」
「そうはいっても、ガンダム自体がWWUのパロディなのでこればかりは・・・・。
とりあえず、スパロボのスタッフの苦労がわかりますね。
ストーリー作るのはとっても大変です。
ロボット物はもうそろそろ限界なのではないでしょうか?」
「そうですよね、エヴァとかナデシコはロボット物というよりは、キャラ物って感じだし。
マクロスはロボットうんぬんよりも、技術バカが趣味100%でミサイル描きまくって売れてるって感じだし。
そろそろ限界かもしれませんね」
「それでも何だかんだ言って新作を作ってるプロの人たちは凄いという結論で、授業に入りましょうか」
「相変わらず強引ね。まぁいいけど・・・」
「では授業を始めます。
ごほん、韓国併合のちょっと前、大日本帝国憲法が作られた頃の話です。
1889年、明治日本が大日本帝国憲法を作ったとき、それが成功すると思っていた国はいませんでした。
これは仕方がないかもしれません。
実は欧州・白人国家以外で憲法による議会政治を実現させようと挑戦したのは、日本が最初というわけではないのです。
中南米諸国の多くは、独立後、アメリカやイギリスの制度を採用しました。
それは独立を維持するためには、白人国家のように近代化した憲法・議会・国防軍が必要だからと考えたからです。
しかし、結果はどうだったでしょう?
中南米諸国のほとんど全てが一度は失敗して、何らかの形の軍事、警察の独裁制にはしりました。
つまり、議会政治というものはただ「制度を作った」「議会政治を宣言した」などいうお手軽な手段では成り立たない政治機構なのです。
ユーザーがそれなりの知識と経験を持っていなければ高度なパソコンもただの箱であると同じように、優れた政治機構がスムーズに運営されるには、国民のレベルを上げねばならない。
国民のレベルを上げるためには学問が必要である、というのが「学問のすすめ」で述べられていることです。
現在の日本の歴史教科書では、大日本帝国憲法は1889年に公布されたと簡単に書いてありますが、慶応4(1868)年3月、五箇条のご誓文の冒頭で、「広く会議を興し、万機公論に決すべし」とあります。
つまり1868年に議会政治が宣言されて1889年に公布されるまで20年が経っているのです。
この約20年間を、ただ単に「明治政府がだらしなかった」と見るのは間違っていると思います。
徳川幕府250年間の間、いえ日本が一つの国となって1000年以上の間、形は違えど日本は独裁国家でした。
それがたった一度の宣言で変わるわけがないのです。
るろうに剣心では、「明治政府が民主主義国家とはウソ八百である」ように描かれていますが、明治維新からたったの十年で何かが変わるわけがないのは当然と言えば当然なのです。
それを証明するには例を上げるのが手っ取り早いでしょう。
欧米諸国の場合、イギリスは1688年の無血革命以来200年の時間を掛けましたし、フランスは1789年のフランス革命で200万人の犠牲を出したあと、さらにナポレオン戦争を経験してからようやく機能し始めました。
ドイツは、何度も何度も数え切れないくらいの内戦を何百年と繰り返し、ようやく統一を果たしたばかりです。
アメリカは半分イギリスみたいなものですけど、やはりそのスタートはイギリス出身のお金持ち議員による独裁でした。
つまり、日本を見下している欧米列強でさえ、立憲政治を普及させるまでに数百年の時間と数百万の犠牲を必要としたということです。
その犠牲と時間を掛けた歴史がアジアやアフリカにはない。
ただ単に白人を真似ればできるほど、立憲政治は甘いものではない。
ある意味では、列強の言い分も正しいかもしれません。
互いが互いを主張し、力による解決しかできないアジアやアフリカの国々が欧米に見下されるのは、必然だったのかも知れません。
そして、それはトルコも同じでした。
1870年代後半にトルコが立憲政治を始めましたが、わずか一年足らずで憲法停止・議会解散に追い込まれたという歴史的事実があります。
なぜかというと理由はいろいろありますが、問題点の一つはイスラームの聖典であるコーランです。
ユダヤ教の旧約聖書、キリスト教の新約聖書とは異なり、イスラームのコーランには政治のやり方が書いてあります。
これが政治面におけるユダヤ・キリスト教とイスラームの最大の違いです。
つまり近代化に必要不可欠な要素である「政教分離」がイスラームでは不可能なのです。
キリスト教の場合、一週間の悪事を週末の懺悔でチャラにして、次の週に新しい悪事をするという―――」
「ちょっと待て」
「何か?」
「せっかく真面目な話だったのに最後の方は一体何よ?」
「何かと申されても、キリスト教の説明ですが何か?」
「説明って・・・。そんな説明がどこにあるのよ」
「だって本当のことでしょう?
これがウソだったらキリスト教国家に犯罪者なんていないですよ」
「まぁ、たしかにそれはそうだけどさぁ・・・物には言いようってもんが・・・」
「細かいことは気にしてはいけません。
これは映画「パールハーバー」で言っていたので間違いはないと思います」
「やっぱり映画ネタかい・・・」
「そんなことはどうでもいいのです。
とにかくキリスト教は『習慣』であるのに対し、イスラームは『生活』そのものなのです。
憲法よりもイスラームが優先される社会では、議会政治は成り立ちません。
これが、21世紀現在でも米軍がイスラム国家を近代化させるときの悩みの種でもあります。
何せ宗教だから言うことなんて聞きやしない。
強引に進めれば反発してテロを起こすし、放って置いても経済難や民族紛争でテロを起こす。
それが本当に政治的な抵抗ならまだしも、資金難や補給難などの理由でほとんどがただのテロリスト集団と化してしまう。
連中は政治・経済・生活の近代化には反対なくせに、軍事の近代化には積極的というある意味矛盾した思考回路を持っています。
テレビやパソコンのような近代文明を拒みながらも、一方では指向性の高性能プラスチック爆弾を作ったりできるのです。
それは19世紀も同じでした。
そんな中、明治維新は世界中の期待を背負った革命でした。
失敗は許されない。
そのためには、『絶対に失敗しない』と確信する実力を持てるまで議会は開けなかったのです。
もしこの議会に失敗し―――」
「クチャクチャ・・・。ほ〜れ見ろ、アジアの黄色いグーグどもには議会政治なんて無理じゃねぇか。猿(モンキー)どもにはやはり人間様の支配が必要だぜ。Fuck'in shit!(アヒャ」
「などと言われた日には、日本は合法的に植民地にされてしまう。
そして、それは世界の黄色人種独立の夢のお終いであります。
だからこそ20年という長い時間を掛けてゆっくりゆっくり熟成させていったのです。
苦心難関の末、明治日本は世界の黄色人種で最初に立憲政治を成功させた国家となりました。
日本は近代化を進め、いわば異民族である韓国を併合。
努力すれば黄色人種国家の独立は可能である、と世界に実例を示したのです。
近代化とは、まず国をまとめ上げ、国民が一つになることが最大の難関の一つであります。
清や李氏朝鮮が一つの国家としてまとまっていたか?というと答えはNOです。
地方の豪族や貴族があり、寺や傭兵の縄張り争いがあり、同じ国家とは言っても国内はバラバラでした。
それは幕藩体制によって、三百諸侯に分かれていた日本も同じです。
薩摩あり、長州あり。様々な派閥や勢力が群雄割拠して政権を狙っていたのです。
新政府を樹立といっても、それは表面だけ。
いざ国家を運営させてもすぐにバラバラになってしまうことは確実。
そんな状態で憲法を作ったとしても、まともに機能するわけもなく、トルコはそれが原因で近代化に失敗したのです。
伊藤博文は、欧米諸国の法律や憲法の専門家たちに話を聞きましたが、彼らは異口同音に共通したことを言いました。
憲法とは、その国の歴史を意味するものである
つまり、なぜこの国家は一枚岩なのか?を考え、それに基づく憲法でないと国民がバラバラになってしまうと考えたのです。
だから日本が欧米諸国をそのままパクっても絶対に上手く行くはずがない。
それは過去の歴史が証明している。
プライドばかり高くてやる気のない腰抜けフレンチ・・・ごほん、フランス共和国だって、フランス革命によって200万人の死者を出し、共和制、帝政、王政、共和制、帝政と散々失敗に失敗を重ねた歴史があります。
「人は生まれながらにして自由で平等な権利を持つ」
あまりにも有名な1789年のフランス人権宣言ですが、この人権宣言のインクが乾くか乾かないうちに、国民議会は反革命の陰謀を探るための委員会を設置。
「人権は全ての人間にある」と言いながらも、他人の郵便物は開封する、逮捕状なしに人は逮捕する、正規の手続きを踏むことなしに拘禁はする、移動の自由は妨害するとやりたい放題したい放題。
ギロチン大好きフランス人。
罪もない一般市民を私怨で虐殺しまくる革命側の暴走はジュピタリアンの比ではありませんでした」
「なんでVガンダムやねん・・・」
「フランス然り、アメリカ然り、イギリス然り。
結局、どの国も程度の差はあれど苦労と努力の上に議会政治が成り立っています。
日本もそれくらいの努力を重ねてなければ近代化など到底不可能なのだ、というのが当時の国際社会の見解でした。
ドイツ帝国の皇帝ヴェルヘルム一世が「立憲政治なんて上手くいかない。悪いことは言わないからやめておけ」と言ったのもあながち誇張ではありません。
この時点で、失敗をしなかった議会政治は世界に一例もなかったのです。
欧州もアジアもアフリカも、世界中が一度は失敗していたのです。
当初、明治政府は国をまとめるために宗教を軸に憲法を作ろうとしました。
イギリスやドイツ、アメリカの憲法にはキリスト教の理念が含まれています。
しかし、日本は多宗教国家です。
日本古来の神様から仏教まで様々な宗教が存在しており、同じ仏教でもそれぞれ勢力があったり、無神論者も多数います。
こんな状況では、あっちを立てればこっちが立たず、こっちを立てればあっちが立たずとなることは明白。
欧州は、それが原因で立憲政治の普及に莫大な時間と犠牲を必要としました。
そこで欧米各国の専門家は伊藤博文にこう言いました。
日本の歴史を学べ
膨大な歴史の資料から、日本が日本として一枚岩なのは、というより日本が一枚岩になれる可能性がもっとも高いものを探し、それを軸に憲法を作ればひょっとして上手く行くのではないか?
これが専門家の総合的な意見でした。
そして、その可能性を秘めているのは天皇制ではないのだろうか?という結論に達したのです。
『勝てば官軍』という言葉もあることから、古来より日本の政治権力闘争の裏には、天皇の守護者をめぐる戦いという背景がありました。
鎌倉、室町、徳川。
いずれの幕府があったときも、形だけとはいえ、天皇は国のトップだったのです。
この天皇制を頂点とした政治形態なら、国民はバラバラにならず、薩摩・長州といった勢力争いも押さえることができるのではないのだろうか?
というより、これが最初で最後の頼みの綱だったと言ってもいいでしょう。
身分制度の廃止、廃刀令、地租改正などの改革の連続で、日本には内戦の火種が多くありました。
その最たるものの一つが西郷隆盛ら薩摩出身の士族の反乱、西南戦争です。
なお、この戦いには明治政府側として元新撰組三番隊組長・斉藤一が参加していたりします。
古い時代を壊すより、新しい時代を築く方が遥かに難しい
そういうことです。
現在でも、世界各国では国旗に敬意を払うような教育がされてますが、当時の日本人にそんなことを強制しても、効果が出るまでには時間がかかるでしょう。
元々一枚岩の国家ではないのですから。
もし薩摩・長州の暴走を押さえることができなければ、明治政府は根本から崩れ落ち、「アジアの黄色いグーグども(以下略)」という結果になってしまいます。
伊藤らの苦心のすえ、日本は一枚岩になり、第一回帝国議会は一応の成功を収めることができました。
そして同じような国家体系のドイツを模範にし、第2のプロイセンとして明治日本は近代国家としての第一歩を歩き出したのです」
「はーいっ!質問っ!」
「なんですか?」
「『第二のプロイセン』というのは、カッコいいからOKとして」
「いいのか?」
「なんで白人国家のコメントが、ベトナム戦争の米兵なんですか?
とくに『グーグ』って単語は米兵がベトコン相手に使ってた言葉ですし、最初の「クチャクチャ」ってガムを噛む音でしょ?あれ」
「特に意味はありません。あーいった言葉は無意識に出てくるんです。
なんて言うか、日常会話の単語
もしくは、魂の故郷という感じです」
「普段からそんな単語ばっか使ってるのか、お前は・・・」
「読者が誤解するような言い方はやめて下さい。
これはあくまでキャラクタ―の会話でしょう?
誰に言っているかわからないようなセリフは誤解の元です。
まぁ、誤解されようがされまいが、そんなことはどうでもいいで、続きを説明します。
なお、この頃は日本がもっとも輝いていた時代なので、近代日本史の熱血教師のほとんどは目が濁っています。
なんて言うか、講義を続ける自分の声にうっとりしている感じです。
日本人の誇りについて一生懸命講義しているのに、「あの先生はやばいよ。目が濁ってるもん」とか学生から影口を叩かれるとは、彼らがあまりにも可哀想です。
その気持ちは十二分にわかりますし、実際やばいのかもしれないですが、「その濁った眼差し超素敵」と思えるくらいの広い心が無ければ、21世紀はやっていけないと思うのですがどうでしょう?」
「日本史の熱血教師って、ガンダムやエヴァを語り始めると止まらないロボットアニメオタクと、レベルはあんまり変わらないですよね」
「同じレベルなの・・・?」
「同類です。
これは断言できます。
さらに近代日本史は、同時に世界戦争史と表裏一体でもあるため、十中八九、ヤツらは軍事オタです。
そしてキーワードはやはり『燃え』です。
『スーパーロボット大戦のノリで歴史を語る』というのが、この小説の専売特許だと思ってる読者の人たちは明らかに間違っています。
そんなことは戦前からやっており、今はただ形がちょっと変わっただけ。
根底にあるものは何も変わっていません。
ある意味、これは伝統なのです」
「うわ・・・やな伝統・・・。暑苦しいし、むさ苦しいし・・・」
「日本の伝統文化を否定するような悲しいことは言わないで下さい。
アスカさんも1/4は日本人なのでしょう? そしてもう1/4はドイツ人だし」
「なんつーか・・・。うーん・・・」
「いいじゃないですか。日本とドイツとアメリカでしょう?
ある意味、最高の組み合わせじゃないですか!」
「・・・なんかバカにされているような気がしてならないのよね。
だってドイツもアメリカもアホの代名詞のような言い方されてるし・・・」
「そんなことは一言も言ってませんよ。
考えすぎです。
さて、アホな会話ばかりしてる読者が飽きるので次に行きましょう。
この大日本帝国憲法は海外に高く評価されました。
イギリス・アメリカ・オーストリアらの学者は異口同音に
この憲法は、日本の歴史に基づいている
と褒め称えていました。
それまでの黄色人種国家の失敗作とは一線をかき、欧米のパロディながらもオリジナリティを含む素晴らしい作品であるというのです」
「作品って、をい・・・同人誌か、これは」
「似たようなものじゃないですか」
「同類かよ」
「そんなことはどうでもいいのです。
こうして日本は天皇制を軸に憲法を作りましたが、説明したように天皇制はあくまで国家安全保障の一政策であります。
だから「日本は天皇のものであり、日本人は天皇に絶対服従」などと言っている連中は、根本的に歴史をわかっていないと言っていいでしょう。
ナチス親衛隊やアカと同レベルの狂信的な右翼は、本来ならば天皇の意志に背いているのです。
大日本帝国憲法第5条 「天皇は帝国議会の協賛を以て立法権を行う」
大日本帝国憲法第6条 「天皇は法律を裁可し其の公布及び執行を命ず」
とあっても、歴史を見てみれば、天皇は戦後だけでなく、戦前もお飾りに過ぎないことが明らかです。
第55条(1)「国務各大臣は天皇を補弼して其 の責に任ず」
(2)「凡(すべ)て法律 勅令其の他国務に関る詔勅は国務大臣の副書を要す」
要するに国務大臣の同意ないままに、天皇が勅令を発することはできません。
さらに議会から勅命が依頼されたら、それを断ることすらできません。
立法権も行政権もない、お飾りの存在。
自分で政治を行おうとすれば憲法違反。
議会に口を出しても憲法違反。
議会政治を止めることも憲法違反。
しかし、議会に協力しないことも憲法違反。
ただ単にいるだけの存在、議会の道具、形だけの権力者、つまりは象徴です。
明治政府はあくまで立憲君主国としての日本を作るため、天皇の権力を押さえようと必死で憲法を作ったのです。
そして、それは明治天皇陛下の御意志でもありました。
たとえば明治天皇は日清戦争に賛成されず、開戦時には「閣臣らの戦争にして、朕の戦争にあらず」と言ったそうです。
つまり、この戦争は天皇が決定したのではない、天皇は最高権力者ではないということです。
第一、天皇の権力が絶対だったら政党政治や議員内閣制なんてものは成り立ちません。
大日本帝国憲法において、政党政治や議員内閣制は憲法違反です。
大日本帝国憲法では主権が天皇にあるのだから、国民がそれぞれ勝手なことを言って政治をコントロールするなんてことは許されるはずがないのです。
しかし実際に行われていた。
それはなぜか?
主権は天皇にあると言うのはあくまでポーズに過ぎず、戦前も主権は国民にあったということです。
何より、
憲法守って国を滅ぼすか
憲法破って国を守るか
どちらを取る?
今でも第9条「戦争放棄」に関してよく言われる議論ですが、その答えを100年前の日本はすでに出していたという歴史的事実であります。
それに天皇第一主義だったら、議会を作るのに20年もかかりません。
「日本国民は天皇に従うべし、以上」で終わるはずです。
しかし、そんな絶対王政もどきの独裁政府を作ったら国が滅びてしまう。
だから20年もかけたのです。
こうした歴史を知らず「日本国民は天皇に従うべし!」とか言ってる狂信的な右翼は、天皇制を侮辱していると言っても過言ではないでしょう」
「それじゃ天皇制は日本には無くてはならないものなのね」
「はい。
2002年12月22日の朝日新聞記事によれば、「天皇象徴」支持は87%に上るそうですが、なにせ朝日ですからどこまで信用できるのかわかりません。
しかし、2003年現在でも、日本人が日本人として一つにまとまるのに天皇制は必要不可欠ということでしょう。
わたしも存続すべきだと思っています」
「へぇ、やっぱり日本人ねぇ。ドイツが好きとか言っても天皇制がいいんだ」
「別に。
個人的には、天皇制そのものはどうでもいいと思ってます。
好きにしてくださいって感じです」
「―――はい? なんか言ってることおかしくない?」
「おかしくないですよ。
だから「天皇制は存続させるべきだけど、天皇制そのものに興味はない」と言っているのです」
「つまり・・・どういうこと?」
「つまりですね。
い・や・が・ら・せ
」
「をい・・・」
「だって、天皇制をやめると大陸が喜ぶでしょう?
だから嫌なんです。
日本は自らの過ちを認めた。
逆賊天皇家を廃止し、中国を正統な主と認めた。だから日本は中国のものである。
などと言われるのは目に見えています。
何ゆえ「天皇制の廃止=中国を主と認める」が成り立つのかわたしには理解不能ですが、「沖縄県は中国のものである」とか言い出す連中です。
天皇制を廃止することは、中国に戦争の大義名分を与えることになります。
それは避けなければなりません。
天皇制は、民族文化ではなく政治的な政策なのです。
大陸のクソどもが嫌がるなら天皇制だろうが、女王制だろうが、共和制だろうが一向に構いません。
大陸に併合されるくらいなら、アメリカに併合された方が数千倍マシだと確信しています。
わたしは、大陸が大嫌いです」
「島国最高・・・」
「Yeah!!」
「BRAVO!!」
「だから何でナム戦の米兵やねん・・・」
「残念でした。これはノルマンディ上陸作戦の米兵で〜す♪ 」
「その通りよ。まだまだ甘いわねアスカ」
「わかるかっ!」
「仕方ありません。アスカさんは素人ですから」
「なんの素人よ・・・」
「さて、この明治日本の成功を間近で見ていたトルコは近代化を真似ますが、やっぱり伝統が足を引張ります。
そんなトルコの近代化成功には、ある人物を語らねばなりません。
それはトルコ共和国樹立を成し遂げたムスタファ=ケマル
です。
ムスタファ=ケマル=パジャ=アタチュルクとも言われている近代トルコの父、それがケマルです。
彼が生まれた頃にはまだ苗字をつける習慣はありませんでした。
ケマルというのは『完全な』という意味のあだ名、パジャというのは『将軍』という意味で、アタチュルクというのは『トルコの父』という意味の苗字だそうです。
日本で言えば福沢諭吉、アメリカで言えばジョージ・ワシントンに当たる人物がケマルです」
「あ、それ聞いたことあるわ! トルコ紙幣の全部に描かれて人でしょ?」
「その通り。
トルコの通貨はリラですが、トルコ紙幣8種類の絵は全てムスタファ=ケマルです。
8種類もあれば、様々な人物が並ぶのが普通ですが、トルコの場合はケマルで統一されています。
さて、ここで問題です。下の旗はそれぞれどこの国の旗でしょうか?」

「・・・・・難しいわね。月と星だからイスラム国家ってのはわかるけど・・・」
「右が赤十字、左はダウト」
「どこが十字なのよ!どこがっ!」
「惜しいです」
「惜しいのかよ・・・」
「正解は左がトルコ、右がパキスタンです。
トルコがイスラム国家なのは前回の授業で話した通りです。
パキスタンも御存知イスラム国家です。
ここで注意して欲しいのは、両者とも国民の99%がイスラム教徒であり、旗のデザインもここまで酷似しているにも関わらず、パキスタンはイスラム教のシンボルとして『月と星』を表しているのに対し、トルコは『善と幸福』をあらわしていることにあります。
つまり、パキスタンのシンボルはイスラムですが、トルコのシンボルはイスラムではないのです。
先ほども言ったように、基本的にイスラームは政教分離ができません。
コーランに政治のやり方が書いてあるからです。
さりげなく、「じゃあ悪いのはマホメットじゃん」とか思ってしまいますが、それは言わないお約束です。
そんなことを言い出したらキリが無いからです。
かつて第二次大戦後のインドネシアの大統領スカルノは、「イスラーム自体は悪ではない。時代の変化についていけず、時代錯誤なコーランの解釈に固執するアホな学者が悪なのだ」ということを言いました。
ケマルも同じようなことを言ってます。
ようするに、イスラム国家が白人に負けるのはイスラームが原因だからではなく、古典イスラームの呪縛に魂を引かれたオールドタイプが原因だということです」
「なんか中華思想に似てるわね」
「構図はどこでも同じですよ。
さて、イスラームにも神官が存在し、他の宗教と同じく、神官は特権階級です。
キリスト教が旧教(カトリック)、新教(プロテスタント)、東方正教(スタンダード)に別れたように、イスラームも大きく分けて二つの勢力、すなわちスン二派とシーア派にわかれています」
「東方正教って何?」
「10世紀頃に別れた東のヴァチカンですよ。
ヴァチカンは、その絶対的な権力をめぐって権力争いが絶えませんでした。
そして10世紀くらいに西はカトリック(旧教)、東はスタンダード(東方正教)に別れたのです。
東方正教が盛んなのはロシア方面ですね」
「つまりあれですか。ラーメン屋」
「そーいうことです。
ようするに仲が悪いということがわかっていれば問題ありません。
トルコはスン二派イスラームの国でした。
スン二派において、宗教的特権階級にはカリフとスルタンがあります。
カリフは教的統合のシンボル、スルタンは軍事、行政における事実上の指導者です。
スルタン制という制度は、スルタンがカリフによって任命され、カリフはスルタンによって保護されるという相互依存の関係の上に成り立っています。
そしてスルタンのトップが皇帝です。
御多分に漏れず、このスルタン制は賄賂政治の原因にもなってました。
中華思想による李氏朝鮮の腐敗と根本の理由は同じです。
神官や官僚になればずっとお金持ちになれる。だから働くより神官になった方がいい。
人々はそう考えるため、商人や農民は働かず、官僚は賄賂政治に走り、国は荒廃を辿るしかない。
これがある限り、トルコは近代化できない。
近代化できなければ待っているのはトルコの滅亡だけだ。
そう考えたケマルは、このスルタン制を廃止して、イスラームの政教分離を実現したのです。
だからトルコではイスラームはシンボルではないんですよ」
「韓国にもケマルのような人がいれば、日本も苦労しないで済んだのに・・・」
「そうですね。
もし韓国がトルコだったら、世界の歴史が変わっていたのは間違いないでしょう。
さてこのケマルさん、実はイスラム国家トルコの英雄なのに、幼少の頃からイスラームがあまり好きではありませんでした。
なぜでしょう?」
「やっぱイスラームが近代化の妨げになってたって知ってたからじゃないの?」
「いいえ。
理由はもっともっと、もっともっと、もっともっと、これ以上ないくらい簡単なことです」
「コーランの暗記が嫌いだったから!」
「んなわけあるか」
「正解です」
「ほらやっぱり――――。はい?」
「幼少のケマルさんがイスラームを好きではない理由。
それは、コーランの暗記が嫌いだからだそうです。
まさに「Simple is Best」な答えです。
わかりやすくていいですね」
「マジかよ」
「幼少のケマル君は、この「シンプル イズ ベスト」な理由で登校拒否を起こしてしいました。
母親はケマルを僧侶にしたかったので、大ショックだったそうです。
父親の進めで西欧流の学校に通うことになりましたが、しばらくすると父親が死去。
西欧流の学校を退学して実家の農業を手伝いながら、イスラム流の学校に通うことになりますが、またもや登校拒否
どうやらコーランの暗記が嫌いだったのは筋金入りだったようです。
しまいには軍事オタとして覚醒し、士官学校へ入学。
ケマルは幼い頃からすでに、政教分離の基礎を己の中に確立してあったのですね」
「軍事オタって、をい・・・」
「そっかぁ。宗教にあんまりこだわらない人が近代革命の中心になってたんですね」
「もともとオスマントルコは日本と同じように、宗教には寛大な国でした。
ヨーロッパではドイツなんかが宗教には寛大ですね。
ドイツの場合、周りの敵はみんなキリスト教徒なので、非キリスト教徒への差別は少ないそうです。
宗教改革もドイツからでしたし、ナチスの頃はキリスト教を否定していたこともあります。
この非キリスト教徒への差別の少なさが日本との同盟の理由の一つにもなりました。
それに、ドイツはキリスト教万歳というよりはドイツ万歳ってノリですからね。
さて、1902年に陸軍大学を卒業したケマル。
しかし、列強の波は止まるところを知らず、このままではトルコは完全に植民地にされてしまう。
当時危機感を覚えていたのはケマルだけではありませんでした。
多くの若者がそう考え、陸軍大学出身の若手将校らは革命の準備を整えつつありました。
そして1904年、伝説の日露戦争で同じ黄色人種の日本が大国ロシアを倒し、見事に近代化に成功した例を世界に示したのです。
トルコは狂喜錯乱して喜びました。
黄色人種だってやればできるっ!
日本ができたんだ!
トルコだってやればできるはずだっ!
しかし、今の政府ではそれは不可能だ。
己の利益のために民を苦しめ、己の保身のために賄賂政治を繰り返し、あまつさえ海外列強を政権争いに利用しようとして逆に利用されるような政府にトルコの未来は作れない。
韓国を見ろ、何百年も続いた悪しき伝統は簡単には変えられなかったではないかっ!
40年間も日本の後押しを受け、自分から頭を下げて日本に併合してもらってようやく近代化できた。
トルコも韓国と同じく、今の政府が政権を取ったままの状態での自力再生は不可能である。
こうして危機感を感じていたトルコの若手将校らは軍事クーデターを起こしました。
教科書に載っている1908年の青年トルコ革命です。
クーデターは見事に成功しましたが、このときの指導者エンヴェル将軍とムスタファは意見の食い違いから、ケマルは革命勢力から離れていきます」
「なんか西郷隆盛みたいね。成功したあとで別れるって」
「歴史は繰り返すものです。
トルコは日本を真似していたんだから、結果も似たようなものになるのは不思議ではありません。
さて、1910年頃の当時のドイツはトルコの農作物に依存していました。
そして黒海その他の利権をめぐってロシアとは共通の敵だったのです。
こうして1914年に第一次大戦が勃発。
ドイツの無茶無理無謀な戦略と戦車の登場によって、ドイツの同盟国であるトルコは敗戦国へと追いやられてしまいます」
「ねぇ、なんで『戦車』の文字がそんなに大きいわけ?」
「伝統ですから」
「伝統じゃ仕方ないわよね」
「何の伝統よ・・・」
「青年トルコ党の理想は、中央アジアのトルコ系民族を結集し、オスマントルコ帝国の再興とも言うべき巨大な近代トルコ帝国を作ることにありました。
いわゆる大トルコ主義(汎トゥラニズム)と呼ばれる考えです。
さまざまな民族・部族が乱立するオスマントルコにおいて、そんなものが簡単にできるわけありません。
明治日本が異民族である韓国と手を組むことが不可能とわかり、韓国併合という最終手段に出ざるを得なくなったことと同じように、この青年トルコ革命は失敗に終わりました。
ケマルの予感は的中しました。
青年トルコ党の理想は、所詮は妄想であり、そんなものが上手く行くはずはないと日本の前例を見てわかっていたのです。
これが先ほど言った青年トルコ党のリーダーのエンヴェル将軍との仲違いでした。
形ばかりの近代国家トルコはケマルの危惧した通り、内乱に継ぐ内乱に発展し、第一次世界大戦勃発の頃のトルコは末期の李氏朝鮮と同じ状況に陥っていたのです。
この民族紛争の影にはイギリスがありました。
「民族の独立」とか、「民族の自立」とか、「君らはトルコの犬ではない」とか、「トルコに頭を下げっぱなしでいいのか?」とか、「腰抜け」とか、「トルコの犬コロ」などの甘い言葉で民族紛争を煽りまくり、トルコは内部から弱体化していったのです」
「そんな簡単にいくものなの?」
「いきますよ。2003年現在でも日本や韓国では反米デモが凄いじゃないですか。
そのせいでフィリピンが酷い目に会ったばかりだというのに全くやめようとしない。
中国が煽っているのにも気づかず、自分で自分の首を締めている。
「日本はアメリカの犬ではない」「日本はアメリカに従うだけでいいのか?」「日本はアメリカの家畜でいいのか?」「対等な国家ではなくていいのか?」「日本は一体誰のものだ!!アメリカのものなのか!?」などといった甘い言葉に騙されてしまう。
自国防衛ができない弱小国は、大国の餌食になるしかない
君主論(マキャベリ)の基本中の基本さえも忘れてしまい、能天気に攘夷運動を繰り返す。
それは危険であると警告する学者や新聞記者の言葉をタカ派だの、軍国主義者だのと言って一蹴する。
幕末から何も変わっていない。
21世紀になっても頭の中は「攘夷!攘夷!」と叫んでいた江戸時代のまま。
今でさえこれです。
当然、当時の中東や中央アジアもまた、熱狂的な攘夷運動が行われていました。
第一次大戦後の民族紛争も、彼らは彼らなりに一生懸命でした。
逆効果でしたけどね。
なお第一次大戦でトルコはドイツと同盟を組み、イギリスと戦っていました。
このときのイギリス海軍の指揮官には後の英国首相になるウィストン=チャーチル
がいました」
「あの人、さりげなくこんなところにもいたんですね」
「第一次大戦と第二次大戦は同じ戦争ですよ。
両者を別々の戦争と考えてしまうと世界情勢は見えてきません。
第一次大戦が「機動戦士Zガンダム」で、第二次大戦が「機動戦士ガンダムZZ」みたいなものですから」
「Zガンダムって、をい・・・」
「ケマルは将軍でありながらも自ら前線に立ち、末端の兵も大事にしました。
さながら、北アフリカ戦線のロンメル将軍
のような人物として、彼は国民の英雄となっていったのです。
しかし、第一次大戦はトルコの皇帝が、自分たちの保身と引き換えに勝手に降伏してしまい、トルコは敗戦国となりました。
この皇帝家は国家よりも皇帝家の方が大事だったのです。
青年トルコ党の幹部らはほとんどが戦死や暗殺で死亡。
残ったのはケマルとわずかな同志だけでした」
「・・・・・・・」
「敗戦国のトルコは、末期の李氏朝鮮と同じくすでに滅んでいました。
再び権力の座に昇った皇帝家は、近代化どころかかつての絶対王政を復活させ、このままではトルコは滅亡すると、トルコの近代化を唱えるケマルらを危険人物と見なして中央から離れさせます。
内部から変えようというケマルらの思惑は完全に潰されてしまったわけです。
しかし、この左遷は悪いことばかりではありませんでした。
ケマルと同じく祖国を救おうとする人材はことごとく政府から左遷されたため、反政府勢力が結集することにもなったのです。
このときのメンバーがのちのトルコ共和国の重臣になります」
「なんか幕末の日本みたいですね」
「どこの国もやってることは同じですよ。
この反政府メンバーはレジスタンスを作り、反政府軍へ発展していきます。
通常の反政府ゲリラとは異なり、すでに国民が政府を見放していたため、この反政府軍はしっかりと機能していました。
同時期、トルコの宿敵ギリシャが侵攻をはじめます。
オスマントルコに4世紀近くの間支配されたギリシャはこのチャンスを逃すまいとやっきになっていたのです。
しかしギリシャ軍のやり方は非戦闘員の女子供さえも虐殺する有様で、当然トルコ国民も黙ってません。
各地で反政府・反ギリシャ勢力が生まれ、ケマル軍に合流。
ケマル軍は英仏などの連合軍と戦えるほどの勢力にまで発展していきました。
一方のトルコ皇帝メフメット6世はギリシャどころか、反逆者であるケマル軍すら鎮圧できず、保身のために対トルコ講和条約であるセーヴル条約に調印するという暴挙に出ていました。
このセーヴル条約は、後にアメリカ合衆国が昭和日本に突きつけたハル・ノート以上の不平等条約でした。
この条約によれば、保全されるトルコ領はアナトリアの内陸部の九州の半分程度の大きさであり、当然ながら海岸線はゼロ、さらにその上に賠償金の支払いも要求されてしまいます。
事実上のトルコ滅亡条約です。
こんなものを承認してしまうことからも、トルコ皇帝メフメット6世はトルコよりも、自分が大事だったのです。
こうしてケマル軍によるトルコの独立戦争がその幕を開けました」
「くうぅうう! 燃えー!!」
「アンタそればっかね・・・」
「ロボットアニメオタクはこの手のストーリーに弱いわ、キモ・・・」
「キモって、をい・・・。アンタもそうでしょうが・・・」
「酷い話ですよねぇ。こんなアホ小説に出演しているんだからみんなオタだろうに・・・」
「ちょっと待て。あたしもかい?」
「え? 違うんですか?」
「違うわよっ!」
「バカばっか・・・」
「・・・だからそれキャラ違うって・・・・・」
「ケマル軍の敵は現トルコ政府ですが、腐りきった政府よりもトルコを植民地化しようとする諸国の方が現時点では敵でした。
たとえ政府を倒しても、植民地化を狙う諸国を倒さねば意味がありません。
1920年当時のトルコを狙っていたのはイギリス、フランス、ソ連などの第一次世界大戦戦勝国と宿敵ギリシャでした。
これらの列強が中東と欧州を繋ぐトルコを狙い、互いが互いを牽制していたのです。
オスマントルコ時代に支配されていたギリシャは、長年の恨みを晴らそうとイギリスに代理戦争を申し出ました。
イギリスが武器を貸してくれれば、ギリシャがイギリスの代わりに戦ってやる。
1939年のポーランド侵攻でドイツとソ連が手を組んだときと同様に、イギリスとギリシャは連合を組みました。
さらにイギリスはフランスと連合を組み、ケマル軍は英仏希連合軍に加えてトルコ政府軍とも戦わねばならなかったのです。
さて、ここで復習です。
外交の本質は何でしょう?」
「相手を利用すること?」
「その通り。
周りは敵ばかりとはいえ、彼らもまた敵同士なのです。
そこでケマル軍はソ連に協力を申し出ました。
普通なら、かつてロシア帝国として栄え、クリミア戦争以前からの宿敵であるソ連が協力してくれるわけがありません。
しかし、相手が英仏となれば話は別です。
ソ連成立を阻止しようとして米英仏伊日の帝国主義国は、シベリアに出兵して戦争を繰り返していました。
1920年のソ連と英仏は敵同士だったのです。
ソ連としてもトルコが英仏のものになってしまうことは避けたい。
利害が一致したケマル軍はソ連と手を組みました。
後にイギリスが「ドイツを倒すためならば悪魔とでも手を組む」と言ったように、ケマル軍もまた悪魔と手を組んだのでした。
ソ連に牽制された英仏は、国力の全てをトルコに送り込むことはできず、ケマル軍は自国領からイギリス・フランス軍を追い出し、国内のギリシャ軍を追い出すことに成功します。
この勝利でケマル軍は国際社会を味方につけることができるようになりました。
どうしてでしょう?」
「勝ち目があるからでしょ? このままいけばケマル軍が政府軍だもの」
「その通り。
それまではただのテロリスト集団としてしか認知されなかったケマル軍は、新トルコ政府軍になる可能性大と認められるようになったのです。
残る敵はまだ国内に残っているギリシャ軍と現トルコ政府軍です。
しかし、ここでケマル軍が勝ってしまうことはイギリスにとっては好ましくありません。
イギリスにとっては、日本のような近代化した黄色人種国家が増えてしまうことは、自分たちの植民地支配が脅かされるために放って置けないのです。
そこでイギリスは皇帝軍に武器を売り、ケマル軍を倒そうとしました。
皇帝軍に武器を売れば金が入ってくるし、ケマル軍が倒れればこの辺りの支配はイギリスのものになります。
イギリスの歴史の裏にフランスあり
当初はイギリスと協力していたフランスですが、あっという間にトルコから撤退してしまいました。
しかし、現トルコ政府が勝てば、この地域はイギリスの支配地域になってしまう。
それを阻止するにはケマルが勝てばいい。
そこでフランスはかつての敵であるケマル軍に接近しました。
利害の一致したケマル軍は武器をフランスから買い、トルコ内戦・トルコ=ギリシャ戦争は、幕末戊辰戦争と同じく英仏の代理戦争と化したのです」
「相変わらず油断も隙もないわね。
国家に真の友人はいないとはよく言ったものだわ」
「さらに戦争経済によって不況を緩和しようと、イタリアがケマル軍に武器を売り始めました。
イタリアにしてもイギリスの台頭は見て見ぬフリをするわけにはいかないからです」
「やる気がないわりにはやることやってたのね」
「みんなやってることですよ。
そんなことであーだ、こーだ文句言うのは歴史を知らない連中だけです。
そーいう人間が国家レベルで存在している状況を鎖国と言います。
さて敗北の可能性が濃厚化し、士気の下がるギリシャ軍。
逆にトルコは志願兵が増えつづけ、イタリア・フランスから武器弾薬を買えるためにケマル軍は増強の一途を辿るばかりです。
ケマルは確実に勝てる確信を持ちました。
前進せよ。目標は地中海!
1922年8月26日、ケマルのこの号令のもと、軍は総攻撃を開始。
総兵力は実に10万にも上り、更に武器弾薬等を十分に用意した上での総攻撃でした。
ギリシア軍の前線は各所で寸断され、包囲殲滅され、主要な拠点の多くはトルコ国民軍の手中に落ちました。
戦いはたったの一日で終わり、ギリシャはこてんぱんにブチのめされ、命かながら本国へ帰ったのです。
この当時のギリシャは、トルコと同じく近代化に失敗しており、戦争中にも関わらず上層部は政権争いに忙しく戦争の長期化と重なって国内はボロボロになっていたのでした。
以後、ギリシャは混乱期に突入し、腰抜けのイタ公が侵入してくる1940年まで国内はバラバラの状態が続きます」
「どこも同じね」
「ギリシャを追い出し、フランスとソ連がお互いに牽制し合い、アメリカはモンロー主義を取って不参加。
ドイツ・オーストリア・ハンガリーは敗戦でそれどころではなく、イギリスさえ追い出せばトルコは安定します。
すでにケマル軍は独自のアンカラ政府を作っていました。
1922年のトルコは旧皇帝派とアンカラ派で真っ二つだったのです。
この時点ですでに戦争は3年目に突入していました。
第一次大戦とその前後の内戦をあわせると、すでにトルコは10年間近く戦争状態で、みんな疲れていました。
様々な要因が重なり、アンカラ政府とイギリスは講和することになります」
「え? そんなことをしたらまた内戦の火種を残すことになりますよ。
ラーメン屋状態が一番危険なんだから」
「百年戦争でジャンヌ=ダルクも似たようなこと言って徹底抗戦を唱えてたわね。
パリを取り戻してもない状態で講和なんてすれば、しばらくして戦争になる。
大陸から完全にイングランドを追い出さないと、戦争はいつまで経っても終わらないとか」
「歴史は繰り返す・・・。
ジャンヌの意見は、戦いに疲れていたフランス王シャルル7世に却下されてしまった・・・」
「その通りです。
結局、このラーメン屋状態が次の戦争の原因になりました。
この講和は、強硬派のイギリス首相が失脚したからと言われていますが、それも含めてイギリスの策と考えた方が無難でしょう。
ソ連が成立してしまい、イギリスは第一次大戦と世界恐慌で弱っている。
トルコを完全に支配しようとして戦争を長引かせるよりは、半分支配で力を蓄え、しばらくしたらまた支配すればいい。
イギリスの狙いはおそらくそんなところではないのでしょうか。
外交交渉は、力の強弱がその成否を分ける
あと一歩で完全にアンカラ政府が完全にトルコの支配権を得る状態だったことを考えると、それが自然です。
休戦条約が結ばれたあと、スイスにて和平交渉が行われました。
第一次大戦を無事で過ごしたスイスは、このように各国の交渉の場として機能していたため中立を守れたのです」
「つまり、ただ単に中立を宣言しても意味がないってことね」
「それどころか逆効果です。
中立ということは、他国に攻められてもどこにも助けを呼べないということを意味します。
ボコボコにブチのめされても誰にも助けを呼べない。
漁夫の利を得ようと、飢えたハイエナどもが次々に襲ってくる。
中立宣言は、総合的な軍事力の低下を招き、戦争の可能性を飛躍的に高めてしまう危険な選択であることは歴史が証明しています。
「中立ならどこの国も手を出してこないだろう」などというのは現代人の甘ったれた妄想以外の何者でもありません。
それが世界の現実です。
さて、この和平交渉においてトルコの代表に皇帝政府とアンカラ政府の両方呼ばれました」
「え? だって皇帝政府ってトルコのピンチに何もしなかったじゃないの。
それどころか贅沢ばかりでトルコを腐敗させた原因でしょ?
何でそいつらが国の代表になってんのよ」
「だってホラ。伝統だから」
「そればっかかい・・・」
「アスカさんが言ったように、この皇帝政府の態度は国民を激怒させました。
なにせ皇帝家はトルコを苦しめたことはあれど、トルコを助けたことはないのですから。
そしてこの国民感情はケマルを動かしました。
皇帝制がある限り、トルコは近代化できない。
何もかもぶち壊し、すべてをゼロから作り直さなければ国が滅ぶ
ケマルは議会において「スルタン制とカリフ制を分離し、前者は廃止すべし!」ということを言いました。
オスマントルコ600年以上の歴史を覆す発言に議員たちはショックを受けました。
革命だ、近代化だと言っても、やはりトルコの長き伝統を自らの手で滅ぼすことは耐え難いものだったのでしょう。
しかし、民衆はこれを大歓迎しました。
議会のある建物の外に群衆が集まり、「帝政打倒!」を唱える声は建物をも揺るがす勢いでした。
トルコの悲劇の原因は悪しき伝統にある。
それを国民の多くが意識していたのです。
これが韓国との決定的な違いであり、明治日本との共通点です。
ときは1922年11月3日、議会の圧倒的支持を得て帝政が廃止され、36代623年に亘ったオスマン・トルコ帝国の歴史が幕を閉じることになります。
さらにオマルは、カリフ制をも廃止する行動に出ました。
スルタンが消えても、カリフがスルタンの分まで力を増してしまったため、カリフ制も廃止しなければならない。
カリフとは宗教的指導者のこと。
キリスト教国家で言えば、ローマカトリックの総本山であるヴァチカンを廃止するようなものです。
イスラームの根底を覆すこの政策は、下手をすればケマルらを逆賊にする可能性を秘めていました。
なにせアンカラ政府のやり方は強引過ぎました。
ほとんど独裁状態だったと言ってもいいでしょう。
当然、保守的な人々から敬遠され、反ケマル派はカリフを軸とした新体制を作ろうとしました。
しかし、このとき歴史はケマルに味方します。
インドのイスラームがトルコのカリフに「ケマルはカリフに逆らう逆賊である」という手紙を送り、カリフはこれを公表したのです」
「情報戦ですね。カリフはケマル派を賊軍にしようとしたんでしょうね」
「その通り。しかし、アンカラ政府はこれを逆利用しました。
さて問題です。
国民を一つにまとめるのに一番手っ取り早い方法はなんでしょう?」
「簡単よ。共通の敵を作ればいいじゃない」
「中国や韓国の十八番ね」
「そういうことです。
ケマルは「トルコのカリフはイギリスの手先である」と情報を流しました。
当時のインドはイギリスの植民地だからインドの言うことは信用できない。
これはイギリスがインドに言わせているだけであって、その目的はトルコの内部分裂にあるということを国民に訴えたのです。
ようやく新政府ができたのに、内部分裂などすれば喜ぶのはイギリスだという情報は、国民を満足させるに十分な説得力を持っていました。
なんせトルコ国民にとってイギリスは悪の帝国でしたから、「悪いのはイギリスだよ」という言葉は国家をまとめるのに最適な材料だったのです。
この国民感情は議会を動かし、1924年3月3日、トルコ大国民議会はカリフ制度の廃止を絶対多数で可決しました。
さらに翌々日、議会はオスマン王家の全ての王族の国外追放をも議決しました。
一つでも特権階級を残せば、それを軸にする反政府勢力が生まれる。
そしてその度にイギリスはそれを利用してトルコを植民地にしようとする。
ケマルやアンカラ政府はそれを知っていたのです。
こうしてトルコは共和制を確立し、トルコ共和国となったのでした」
「まさに歴史に学ぶというやつですね!」
「どちらかというと経験でしょうね。
かつてプロイセンのビスマルクはこう言いました」
「愚かものは経験に学ぶが、我輩は歴史に学ぶ」
「経験だけに頼るのは犠牲と時間がかかります。
先人の失敗を繰り返さないようにするために、歴史は学ぶものです。
カリフ制をも廃止したケマルは、トルコを近代国家とするために改革を次々と実行しました。
宗教裁判所の廃止、宗教省の廃止、そして学校における宗教教育の廃止。
さらには一切の宗教法を無効とする新憲法の発布。
これによって、トルコは政教分離に成功することになります。
この新憲法に基づいて、新たな刑法や民法、そして商法などが次々と制定されました。
宗教法の干渉の排除、男女同権、法の下の平等、義務教育、トルコ文字のラテン文字化、太陽暦の採用、苗字制の導入、西洋の度量衡制度の採用、男女参政権の実現などなど」
「ラテン文字? トルコが使ってるのはローマ字じゃないの?」
「「ローマ字」という名称を使っているのは日本だけです。
世界的には「ローマ字」は「ラテン文字」と呼ばれるのが普通だったりします。
まぁ、そんなことはどうでもいいので特に気にすることはありません。
とにかく、ケマルの改革は、当時の世界を見回しても画期的な諸法律でした。
これだけのことを一度に行えば当然反発がありました。
しかし、ケマルは一切の私情を挟みませんでした。
なにせ、政治家が私情を挟む度に近代化が失敗してしまったからです。
事実上の独裁者となったケマルを批判することは誰にもできませんでした。
従わないものは逮捕、投獄。
うかつに反発すれば死刑。
反乱を企てれば武力鎮圧。
かつての同志だろうが全く容赦せず、ケマルは暗殺されかけたこともあるほどです」
「・・・酷いわね」
「仕方ありません。
恐怖政治以外の方法が全て失敗に終わってしまったため、トルコを守るためにはこれしか残されていなかったのです。
平和的な手段で近代化できたら誰も苦労しないのです。
ただし、独裁者といってもそれはあくまでトルコを救うための一政策。
サダム=フセインの独裁が私利私欲の権化であることと比べると、これは全くの別物と考えるべきです。
もしケマルが独裁にはしって近代化を進めなければトルコは植民地に逆戻り。
植民地化を逃れるには近代化する以外に道はなく、伝統に縛られた国家が短時間で近代化を成功させるには、独裁の他には韓国のように日本に併合してもらうくらいしか手段は残されていないことは歴史が証明しています。
@近代化を諦めて植民地に戻る
A恐怖政治で近代化を成功させる
B他の国に併合してもらって近代化を成功させる
「結局、20世紀初頭の有色人種国家に残された道はこの3つから一つを選ぶしかなかったのです。
そしてケマルはAを選んだ。
明治日本もまたAを選び、韓国はBを選び、その他の国々は@を選んだ。
ベストな選択肢はなく、ベターな選択肢しかなかった。
そーいうことです。
明治日本とやってることは何も変わらない。
それもそのはず、トルコの近代化のモデルは日本だったからです。
ケマルは明治天皇を崇拝し、明治天皇の肖像をベッドの横に置いていたそうです。
ケマルが同性愛者というわけではなく、日本がトルコと同じように滅亡の危機に追い込まれていながらも近代化を成功させたとして尊敬していたからです。
そこまでトルコは追い詰められていた
そういうことです。
かつての戦友だった将軍たちを反逆罪で処刑した翌日、ケマルは後世に残る演説をしました。
「私は数えきれないほど戦場で死と直面したし、必要とあれば明日にでも再び命を戦場でさらすつもりでいる。
だが、それはすべて、祖国を強力な独立国家にしたいがためである。
私は、私の生きがいである唯一のもの、すなわちトルコ国民を、進歩へ向かって導かねばならない。
我が国民が進歩への道をしっかりと、そして方向を間違えることなく歩めるようになった時、私はすべての権力を手放すつもりでいる。
だが、我が国民の歩みはまだ始まったばかりなのだ。
すなわち、私を殺すことはトルコ国民の未来を奪うことなのだ。
もっとはっきり言おう!
現在の時点においては、私がトルコだ!」
「くぅぅぅううう!燃え――っっ!!」
「またそれかい」
「バカばっか・・・」
「わたしがトルコだ。
この言葉が当時のトルコの全てを物語っていました。
ケマルはトルコの近代化が一段落した時点で自ら独裁態勢を解こうとしました。
頃合いを見て民主化を決行したことがあるのです。
しかし、結果は失敗に終わりました。
未熟な民主主義は単なる混乱しかもたらさず、引退したケマルに「再び大統領の座についてくれ」というオファーが来る有様だったのです。
本来ならば断るはずでしたが、世界がトルコを狙っている。
トルコが混乱に陥って再び植民地化されるわけにはいきません。
そんなことになったら、なんのためにかつての同志を反逆罪で処刑したのかわからなくなってしまいます。
こうしてケマルは死ぬまで大統領を続けることになりました。
その間、トルコは改革に改革を重ね、欧米が何百年とかけてきた歴史をたった数年で追いつくことになります。
共和国樹立から十年近くのときが流れました。
長年に亘る殖産興業政策や農業政策が実を結び、トルコは自前で多くの工業製品を生産することを可能になりました。
農業生産能力も飛躍的に進歩し、外国へ輸出出来るほど生産力を増大させていました。
そして何よりも、男はトルコ帽を捨て、女はヴェールを捨て去っていたのです。
イスラム社会において女性は「無能」であり、「悪」の代名詞のような存在です。
一夫多妻制が採用されているように、イスラム社会は典型的な男尊女卑の社会でした。
女性は素肌を見せてはいけない。
女性は頭脳労働をしてはいけない。
女性は勉強してはいけない。
女性は偉くなってはいけない。
女性は男性に絶対服従でなければならない。
エトセトラ、エトセトラ・・・。
21世紀現在、トルコ女性の社会進出が日本よりも顕著なのは、この旧体勢への反発かもしれません。
先祖が膨大な犠牲の上に作り上げた祖国をトルコ人は誇りに思っています。
そーいう意味において、日本がトルコに追いつくにはあと30年以上はかかるでしょう。
日本が社会的にも男女平等になるにはまだまだ時間がかかるということです」
「コ●ケならおねーちゃんも多いんですけどね」
「どうしてそーいう単語出すかなぁ・・・・。せっかく感動のストーリーだったのに・・・」
「え? そうだったんですか?
てっきり、スパロボのノリで歴史を語るのが楽しいだけだとばかり・・・」
「・・・・・・・」
「長年の苦労と、それを癒すために飲んでいた酒がケマルの身体を蝕んでいました。
平均睡眠時間4〜5時間という超過密スケジュールは、ケマルの寿命を確実に削っていき、1938年10月ケマルが事務中に彼は倒れてしまいます。
症状は悪化の一方を辿り、1938年11月、ケマルはこの世を去ることになりました。
後継者であるイスメット、この人はケマルの腹心の部下であり、ケマルを信長とすれば秀吉に当たる人物で、この人が大統領就任演説をしようとしたときもケマルの死を哀しみ、壇上で泣き崩れてしまったほどです。
ケマルが生死の境を彷徨っていたとき、「病床のケマルを看病したい」と多くの群衆が大統領官邸に押し入り、群その勢いで門が壊れてしまったほどです。
同じ独裁者でも、善君と暴君の違いは、その独裁者が死んだときにはっきりと差が出ます。
現在でもトルコでは毎年、ケマルが亡くなった11月10日午前9時5分には、サイレンの音と共に全ての国民が彼に対して黙祷を捧げています。
それは、ケマルがいなければ今日の世界地図にトルコは存在していないことをトルコ国民が知っているからです。
独裁者というと、一般的にヒトラーやムッソリーニ、スターリンやフセインのような人間を連想しますが、世の中にはこのような『善君』とも言うべき人物も存在します。
歴史を見る限り、良識のある善君に支配された国家が一番良いのですが、世の中そううまく行きません。
トルコも例外ではなく、ケマルの死後は混乱期に突入し、ケマルの願った真の民主化はまだまだ先のことになるのです。
アメリカは指導者が選挙で登場するため、このような混乱はあまりないのですが、アメリカ人はJ=F=ケネディのケネディ家を王室のように思っているそうです。
ケネディ家は、代々政治家が多く、その意味でアメリカの象徴にもなっているのでしょう。
フランスでは「ナポレオンがいたら・・」とか愚痴を溢す人が多数いるそうで、やっぱりフレンチの思考回路は理解不能です。
イギリスはいまでも「女王陛下檄萌え萌え〜!」ですし、ベルギーには国王がいます。
トルコも共和制ながら、ケマルはアラーよりも人気があり、神格化されて銅像まで建っており、「真の民主化」というケマルの意志はどこへ行ったのだろうか?ケマルが見たら怒るか泣くぞ、と思ってしまう状況にあります。
ただしドイツは未だにナチスの亡霊に取り付けれており、ドイツの象徴とかいうと、世界中がチョビ髭を連想するため、政治家で目立つような人はいません。
戦後のドイツでは、個人レベルの場合、ナチスは恐怖の軍団というよりも、お話の中に存在する悪の魅力に満ちた素敵なキャラクタ―として扱われているそうです。
2002年のワールドカップ「ドイツVS韓国」戦で、ハーケンクロイツの旗を立てたドイツ人サポーターが捕まったということからも、明らかに個人レベルではナチはお話の中だけになっていることがわかります」

「むっ! 曲者!?」
「声はすれども姿は見えず・・・まさか飛影?」
「マニアックなネタはやめなさいって しかもスパロボインパクトは持ってないでしょうに・・・」
「大丈夫。ちょっとだけ攻略サイト見ました」
「その程度の知識でネタに使うかなぁ普通・・・」
「おいおい、ちょっと待ってくれ。
あのハーケンクロイツの旗は悪名高きレッド・デビルスが準備したものだぜ?
いくらドイツ人に変人が多くても、世界中が見守るワールドカップの決勝リーグでそんな非常識なことはしない。
ドイツ人が捕まったってのは偽情報か、単なる勘違いだろ。ソース出せ」
「赤い悪魔(レッド・デビルス)?」
「イギリスの空挺部隊のことです。
そっかぁ〜 あれって英国の陰謀だったんですね」
「その赤い悪魔じゃない!
俺の言っているレッド・デビルズは韓国の熱狂的なサポーターのことだ。
ハーケンクロイツはコリアンの仕業だよ」
「なんだ、てっきりドイツがやったと思ったら自作自演の嫌がらせだったんですね、つまんないの」
「つまんないって、をい・・・」
「当たり前だ。ドイツを韓国と一緒にするな。
ベスト16カ国でフィアプレー順位が最低だった韓国なんかと一緒にされたらドイツの誇りに傷がつく。
赤いゴキブリどもめ・・・。
ヤツラと来たらドイツ国歌斉唱中やドイツ選手紹介の最中にも平気でブーイングするし、喧嘩売ってんのか?」
「国歌斉唱中のブーイングはドイツだけじゃなくて、どこの国にもやってますが・・・」
「どこの国にもって・・・マジかよ」
「コリアンどもめ・・・ドイツは世界一韓国に友好的な国だぞ・・・!
1999年の経済危機のときには多額の資金援助してやったのにあの態度、ふざけやがって・・・!」
「いや〜、ワールドカップで日韓が比較されて、韓国は世界中から嫌われてましたね。
日本人は外国人を差別しないから、余計に目立つんですよ。あいつらの行動は。
ただ韓国内にはその情報が入ってこないから、全く直そうとしないんですけどね。
外国でどんな評価されてるか知らないから。
滅茶苦茶叩かれても記事を捏造しちゃうから反省なんてしないし。
その反動もあって、日本はトルコみたいな友好国以外からも誉められましたね。
イングランドなんて凄いですよ。
第二次世界大戦関連のときは徹底的に日本を叩くくせに、ワールドカップのときの日本記事は日本サポーターが賞賛されてました。
日本人サポーターは、基本的にどこの国も応援しちゃうから向こうからすればヤック・デカルチャー!って感じみたいです」
「んな大げさな・・・」
「そこが日本人と外国の認識の違いなんですね。
ワールドカップなんて外国人にとっては代理戦争そのものですから、余所を応援するってのはある意味日本独自の文化なんですよ。
スポーツの実力はともかく、日本人ファンとサポーターのマナーの良さは世界一です」
「へぇ、日本人にとっては当たり前のことなのにね」
「・・・とにかくだ。
俺の言いたいことは一つ、偽情報を流すなってことだ。
ドイツを汚す話があったらソースを要求するからな。
わかったなこのチョン公ども!」
ちゅどおおおん!
「わたしはスウェーデン出身です。あんなのと一緒にしないください。
・・・おかしいですね、たしかに第一話で仕留めたはずだったのですが・・・」
「仕留めたって、をい・・・」
「不死身ですね、あの人」
「ギャグ小説だしね」
「ごほん、とにかく2003年現在の欧州ではナチを連想させるものは御法度になってますし、特にフランスはやる気がなかったくせにパリ占領を未だに怨んでいて、プライドばかり高くてやる気のないフレンチは未だに健在です。
どうやら第一次大戦でドイツをボコボコに虐めまくった歴史は、彼らの中では消えてしまっているようです。
目立たない大国フランスは、プライドだけはやたらと高いようですね。
さりげなく、街中をSSのコスプレで歩いても何も言われない国は日本だけだったりします。
まぁ、日本人が「ジーク・ハイル!」とか言ってもギャグにしかならないので細かいことは気にしないでいいでしょう。
何だかんだ言っても象徴とも言うべき存在は、どこの国にもあるということですね」
キ〜ン コ〜ン カ〜ン コ〜ン
「というわけで次回は中東戦争に続きます。
第二次大戦後の中東ではイスラエルが独立を果たし、爆薬庫と化したアラブ世界ではソ連製兵器が大活躍です。
次回の授業を―――」
「皆で読もうね」
「だからそれキャラ違うって・・・」
「バカばっか・・・」
おまけ:声の出演
機動戦艦ナデシコ

ホシノ=ルリ(映画版) / 南央美 「こんにちわ(ぺこり)」
山田=次郎(ダイゴウジ=ガイ) / 関智一 「ガイゴウジ=ガイは魂の名前なのさ」
テンカワ=アキト(テレビ版) / 上田祐司 「俺は不幸の主人公だああ!」
ミスマル=ユリカ(テレビ版) / 桑島法子 「アキトぉ!」
メグミ=レイナード(テレビ版) / 高野直子 「アキトさん!」
スバル=リョウコ(テレビ版) / 横山智佐 「待てェ!アキト」
ウリバタケ=セイヤ(テレビ版) / 飛田辰夫 「ウソつけ・・・」
機動戦士ガンダム 
カミーユ=ビダン(Zガンダム版) / 飛田辰夫 「お前は生きていてはいけないんだ!」
機動武闘伝Gガンダム 
ドモン=カッシュ / 関智一 「この男を知らないか?」
トップをねらえ!
タカヤ=ノリコ/ 日高のり子 「バスタアアアああああああああ!ビイイイイイイイイイイイイイイイムっっ!!」
新世紀エヴァンゲリオン

碇シンジ / 緒方恵美 「無理だよそんなの!見たことも聞いたことも無いのに・・・できるわけないよ
惣流=アスカ=ラングレー / 宮村優子 「愛と勇気のセカンドレッド!よろしくね♪」
綾波レイ / 林原めぐみ 「変形・・・エヴァブルー・・・」
葛城ミサト / 三石琴乃 「ぷはぁ!この一杯のために生きるわぁ」
渚カヲル / 石田彰 「お腹の方はこんなに余剰してるのにね」
蒼き流星SPTレイズナー 
アルバトロ=ナル=エイジ=アスカ / 井上和彦 「レイ! V-MAX発動!」